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中高一貫校の闇

更新日:2023年6月7日

自分でつけておいて何なんですけれど、中高一貫校の闇なんて随分なタイトルに聞こえます。

何だか大げさな感じがしますよね?

それでも、やはり仕組み的な落とし穴がある気がするのは否めないところ。


それで、何がそんなに問題なのかと言うと授業の進みが速いのです。


何だそんな事は知っている、と今このページを閉じようと思われた方もいらっしゃるかもしれません。

でも、それがどうして致命的に問題になるのかを、出来ればもう少し付き合ってください。


色々な学校があるわけだから一概に言えないですけれど、多くの中高一貫校が高校2年生の終わりまでに高校内容を完了させます。

残りの一年間(高校3年生)を対大学受験期間に充てる為です。


という事は、本来6年間で学ぶところを5年間で学ぶわけです。

それは単純に1.2倍もの進みということになります。

でも、だから1.2倍のスピードは速い、と言いたいわけでは無いのです。


より問題なのは、その速度が初めのうちの方が更に速いという事です。


ほとんどの中高一貫校が、体系数学という、指導要領の順番と異なり単元の混ざった流れで進めるので、これまた一概に言えないのですけれど、端的にいえば中学2年の終わりまでに中学内容は完了する位の速さで進めます。


という事は、1.5倍です。

1.5倍。


参考までに、これは高校受験する中学生で言えば、最難関レベルの高校を受験する生徒さんのスピードと同じ。


という事は、お分かりだと思いますがついて行けなくなる生徒さんが当然出てきます。


そして、どんどんわからなくなり、自分なりにがんばったり、クラス分けで優しいクラスの方になったりしても、高校内容に入れば加速度的に複雑になるので、追いつくどころかますますその差は開く一方という悪循環に陥ります。



シンプルに書くと以下のような感じです。



①授業内容で曖昧なところが出てくる。


②問題で解けないものがそこそこ出てくる。


③問題の解き方を覚えることに力を入れる。


④授業内容で理解出来ないところが出てくる。


⑤問題で解けないものがかなり出てくる。


⑥問題の解き方の理解出来ないものが多くなる。


⑦定期テストは数学が目立って悪くなる。


⑧授業内容のほとんどが理解出来なくなる。


⑨もうどう勉強していいかわからなくなる。


⑩でも逆に数学のテスト勉強時間が長くなる。


⑪それにもかかわらず点数が全く伸びない。




以前『歴史的基礎の差!?』で書きましたが、数学とは「定義」と「証明」というスタイルで、これでもかというくらい厳密に体形立てられています。


つまり「◯◯とは何なのか」ということと「何故このような事が言い切れるのか」ということの理解が欠かせないのです。

それをスルーして進んで行くことは、例えるならアラビア語の本を読み進めるくらい(知らない言語という意味です)挫折が約束されています。

※わかるところは挿絵くらいでしょうか。


しかし、そうなるのも無理はありません。

そもそも数学がその様に「定義」と「証明」というスタイルで積み上がっていっている、ということを認識しないまま(教えられる事も無いまま)学び始めるので、問題さえ解ければ良い、と考えるのは自然なのです。


まどろっこしい証明などは、目を通すだけでフワッとしていてもそのままスルー。

だって問題が解けるかどうかが肝心だもの、と。


くどい様ですが、数学は「厳密」かつ「積み上げ」の教科なので、この様なスタンスで勉強していると内容が進むほど確実に挫折します。

上の流れで言えば、③が決定的に間違っているのです。


でも考えてみてください。

進みが速くて余裕が無いのだから(しかも問題を解けることが最重要と思ってしまっている)、問題の解き方を覚える事だけに走るのは、残念ですが必然なのかも知れません。



もちろん中高一貫校のカリキュラムを全否定しているわけでは全然ありません。

そのカリキュラムによって高い学力を身につけ、納得いく志望校へ合格する生徒さんも多くいるでしょう。


ですが、その影で決定的な数学迷子の生徒さんが一定数出てしまう事も、紛れもない事実だと思います。



なので、もし中高一貫校の生徒さんで数学が曖昧になり始めているのであれば、実はいま大きな分かれ道に立っていると思ってください。

その上で過去最高に一生懸命勉強して取り返してください。


そしてそれは、問題の解き方を学ぶだけではなく、「定義」と「証明」の理解を最重要にした「論理で全てが繋がっている」実りのある勉強であってくださいね。



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